ぼんやり時間
2010.08.17.13:58


ぼーっとするのが得意でなく、常に動いていたい私。その考えを子どもに押し付けてはいけなかったのですね。「子どもとゲーム」ではゲームそのものについての記事を書きましたが、飛行機早稲田大学文学部教授の増山均先生は、「子供の空き時間を、親が埋めなくてはいけないと考えること自体、間違っているのではないか」と話します。
「現代の親は教育主義に偏っていると思いますよ。遊びのなかでさえ何かを学ばせようとしたり、余暇時間を有意義なものにしようとしたり、子供がぼんやりしている時間を許せない。だから時間をつぶすのに便利なテレビやゲームを取り上げたら、次に何を与えようかという発想になってしまう。大人に遊び心がなくなっていることが、本質的な問題ではないでしょうか。」
子どもがぼんやりする時間はなぜ大切なのでしょう。
「自分で遊びを見つけるからです。ぼんやり過ごす時間は、子どもが想像力を発揮し、遊びを生み出す土壌。例えばただ真っ暗な部屋にいるだけでも子どもは想像力を働かせ、ワクワク、ハラハラ、ドキドキする。遊び心が動き出します。遊ぶ場所がない、遊ぶ道具がないということは本質的な問題ではありません。」(省略)
遊びを通して、やり遂げることの喜びを知るとか、集中力を養うといった教育的な効果でなく、遊びそのものが、心を豊かに育んでくれるのです。
-取材、文 松田慶子、テレビのスイッチを切ったあとぼんやり時間が子供の心を育てる、Aera with Baby 2008年秋号、22ページ


