エンブレルを使っていても感染症にかかりにくい?
2012.01.20.07:01


お陰様で今日まで風邪をひくこともなく、元気に暮らしております。
自己免疫疾患患者におけるTNF-α拮抗薬と感染による入院という興味深い記事を見つけました。TNF-α拮抗薬使用群と対照群で、TNF-α拮抗薬を使ってから12ヶ月間に重症感染により入院の必要が生じたかどうか検討しています。1998年から2007年に米国で実施された後ろ向きコホート研究の結果です。自己免疫疾患の対象は10484組の関節リウマチ、2323組の炎症性腸疾患(、3215組の乾癬あるいは脊椎関節症です。
風邪をひかないようにと、めちゃくちゃ気を使わないといけないわけでもなさそうです。息子君と一緒に外から帰ったらうがい結果 (省略)入院を要する重症感染症患発生率は、RAでは100人当たりTNF-α使用群8.16、対照群7.78、調整ハザード比(aHR)1.05 [95% CI, 0.91-1.21]、同様にIBDではTNF-α使用群10.91、対照群9.60、aHR1.10[95% CI, 0.83-1.46]、乾癬または強直性関節症ではTNF-α使用群5.41、対照群5.37、aHR1.05 [95% CI, 0.76-1.45]であった。RAでインフリキシマブはエタネルセプト(aHR, 1.26 [95% CI, 1.07-1.47]) およびアダリマブ(aHR, 1.23 [95% CI, 1.02-1.48])に比べて重症感染が有意に多かった。また、ステロイドは用量依存性に感染症の割合が増加した。
結論 自己免疫疾患患者において、非生物学的療法と比較してTNF-α拮抗薬の開始は重症感染による入院のリスク増加と関連していなかった。
-Carlos G. Grijalva et al. Initiation of Tumor Necrosis Factor-α Antagonists and the Risk of Hospitalization for Infection in Patients With Autoimmune Diseases. The journal of the American Medical Association 2011;30:2331-2339
